面白い接写の世界

雑木林や公園、植物園などで自然が作る造形をマクロレンズで撮影してます

オオキツネヤナギ

オオキツネヤナギ(大狐柳)はヤナギ科の中で葉が一番大きく別名、オオネコヤナギと呼ばれています。銀白色に輝くネコヤナギの花穂と比べると目立ちませんが、3月中旬頃から咲く黄色の雄花は美しくよく目立ちます。雌雄異株で雌花は雄花より少し遅れて咲きます。

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雄花の花糸は白色で葯は黄色。

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開花したばかりの雌花は紅色(上)。雌花の柱頭は黄緑色で2裂する(下)。

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冬芽は一つの芽鱗で覆われる。かたい芽鱗から花穂が出始めている。

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花粉を出した後の雄花の枝先から新芽が伸びはじめている。 4月3日

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雌株には早くも小さな果実ができはじめている。 4月3日

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オオキツネヤナギの葉は長楕円形で、長さが15〜20cmになる。 5月15日

仙台市青葉山公園

 

アオキ

3月になり青かったアオキ(青木)の果実が赤く熟してきました。アオキはミズキ科の常緑低木で雑木林や公園などで普通に見られる低木です。雌雄異株で花期は4月で雄花も雌花も小さく目立ちませんが、冬でも葉が青々として美しいことから公園などに良く植栽され、冬から春の時期に熟す赤い果実はよく目立ち、色彩のない冬の雑木林や公園を明るくしてくれます。

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果実は長さ約2cmの長楕円形で、赤く熟すとヒヨドリなど野鳥にほとんど食べられてしまう。

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赤く熟した果実と青々した葉のコントラストが良く美しい。

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果実の断面。果皮や果肉、核は柔らかく、核(種子)の中に胚乳と胚が見える。

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雄花の花弁は紫褐色で4個、雄しべは4個で葯は淡黄色。 4月16日

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新芽と同時に咲き始めた雌花序。雌花の花弁は4個で、中心に黄緑色の花柱が1個ある。 4月20日

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雄株の枝先に円錐花序を出し多数の雄花がつく。 4月24日

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アオキは名前のように枝が青々としている。葉痕は三角状半円形。

仙台市青葉山公園

 

種子の造形

果実には様々な形の種子があります。果実と違って種子は外部から見えなく、予想だにしない種子の造形を発見した時は感動します。ムクゲの種子は腎臓形で多数の毛がついていて、アオツヅラフジの種子はアンモナイトのような形をしています。カツラの種子は翼のついた短冊のような形です。モミジバフウやマンサク、ミツバウツギなどは果実の形からは予想できない形の種子が見えてきます。

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ムクゲの種子は長さ約5.5cmの腎臓形で多数の長い毛がついている。

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アンモナイトのような形のアオツヅラフジの種子。大きさは直径4〜5mm。

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モミジバフウの種子はヘラ形で、長さは翼を入れて約7mm。

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カツラの種子は小さく、短冊のような半透明な翼があり風に飛ばされやすい。

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ギンヨウアカシア(ミモザ )の種子は黒色の楕円形 。

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ミツバウツギの種子は淡黄色のつぼ形で、大きさは長さが約5mm。

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コバギボウシの種子は黒色の変形した楕円形で片側に翼がある。

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オオバギボウシの種子はコバギボウシと似ているが、種子と翼が細長い。

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オニドコロの種子は楕円形で大きい翼をもつ。大きさは翼を含めて約13mm。

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マンサクの種子はヘタを取った茄子のような形。大きさは長さが約10mm。

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フジの種子は茶色の円形で艶があり表面に黒いまだら模様がある。直径が約15mmと大きい。

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長さが7〜8mmの小判形のネムノキの種子。草履のような形に少し変形したのも見える。

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茶色の楕円形で真ん中にくぼみがあるヌルデの種子。

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ひっつき虫のヌスビトハギの種子は半円形 。細かいトゲ密生する果実の果皮はむきやすく種子は果実と同じ形をしている。

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コウヤマキの種子は卵形で両側に襟のような翼を持つ。

仙台市青葉山公園 仙台市水の森公園 仙台市茂ヶ崎

 

種子の旅立ち2

くっつき虫のセンダングサの果実には鋭い逆さトゲがあり、動物などに付着して種子を運びます。ユリノキの果実には翼があり、ノハラアザミの果実には冠毛があり、風散布で種子を散布します。ネコノメソウやヤマネコノメソウは水滴散布、ヒシは水散布、コスミレやカラスノエンドウは自動散布など、種子には様々な旅立ちが見られます。

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センダングサは果実の先端が細く尖り逆さトゲになっている。散布方法は逆さトゲが動物の毛などに付着する動物散布。

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アメリカセンダングサの果実は痩果で、種子は果皮とくっついている。両端に鋭い逆さトゲがあり、果皮にも細かい毛が密生している。

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ユリノキの果実は翼果が集まってできた集合果で、熟すと翼果は風散布で飛ばされる。

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果実は長さが約3.5cmのヘラ状で、基部の膨らんだ所に種子が1〜2個つく。

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ノハラアザミの果実には冠毛があり、熟すと風によって飛ばされる風散布。

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果実は長さが約4mmの痩果で、果皮が種子とくっついている。

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ウバユリの果実は上部が大きく開き、風などで種子が飛ばされる風散布と、動物などが茎に触れた振動で種子を散布する振動散布がある。

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種子は直径約5mmの半円形で、周囲に半透明な広い翼がある。

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ヤマネコノメソウの果実は熟すとお椀のような形に開く。散布方法は開いた果実に雨などの水滴が落ちると種子が流れ出す水滴散布。

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種子は長さが約0.7mmの楕円形で、ラグビーボールのように不規則にコロコロ転がる。

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ヒシの果実は熟すと茎から離れ水流によって運ばれる水散布。また果実の両端にある逆さトゲが水鳥の羽毛などにくっついても運ばれる。

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ヒシの果実の両端には鋭く尖った逆さトゲがある。

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コスミレの果実は熟すと3裂して種子を自力ではじき飛ばす自動散布。

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コスミレは春に開花する花は果実をつけず、その後はつぼみの状態の閉鎖花で種子を作る。閉鎖花は秋まで見られる。 

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種子の大きさは約1mmの卵形。

仙台市青葉山公園 仙台市水の森公園
 

果実の造形

木々の果実には球形や楕円形、翼状、さや状、くちばし状など様々な形があります。カエデ科の翼果は鳥の翼のようであり、ツノハシバミの果実はくちばし状で変わった形をしています。ヒノキやメタセコイアの球果は精巧な木工細工のようであり驚きます。

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オオモミジの翼果。翼果の大きさは幅3〜4cmでV字形になる。翼にはシワがあり鳥の翼のように見える。

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イロハモミジの翼果はまるでプロペラのよう。翼果は水平に開き葉の下につく。

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モミジバスズカケノキの集合果。多数のそう果が集まり直径約4cmの球体を作る。

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果鱗が盾の形をしたヒノキの球果。果鱗の厚さは約2mm。

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精巧な木工細工のようなメタセコイアの球果。球果は種子を出した後も形はそのまま残る。

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アスナロの球果はまるで翼を広げて鳥が飛んでいるようです。

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ヒルのように見えるコノテガシワの若い球果。

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スギの球果は鋭く尖る果鱗が多数集まり球体を作る。

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俵のようなコウヤマキの若い球果。

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多数の果鱗が重なるドイツトウヒの球果は長楕円形。球果は種子を出した後も形はそのまま残り、長さは15cm前後でトウヒの仲間では一番大きい。

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円柱形の建造物のようなヒマラヤスギの球果。

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イイギリの液果は黒いまだら模様がアクセントになり美しい。

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種子を出した後のモミジバフウのさく果は洞窟のように見える。集合果の大きさは直径約4cmの球体。

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若いネムノキの豆果は透けて見え種子の形がわかる。

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鳥のくちばしのように見えるツノハシバミの果実。くちばし状の総包の中に1個の堅果がある。 

仙台市青葉山公園 仙台市水の森公園

 

センダン

センダン(栴檀)の果実が葉を落とした冬の時期でもまだつけています。果実は秋に淡黄色に熟し翌年の春の頃までつけたりします。果実は核果で、核には稜(りょう)があり楕円形の歯車のような面白い形をしています。

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果実は秋に熟すと淡黄色になる。果実の大きさは約直径1.5cmの楕円形で果柄が長く、春の時期までつけることがある。

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核の形に沿ってシワシワになった果実。

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果肉を取り除いた核。核は乾燥させると石灰色(下)になり、上から見ると5角形〜7角形などがあり、1室にそれぞれに1個種子がある。核の大きさは長さ約12mmの楕円形。

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堅い核から取り出した種子。種子の大きさは長さ約7mmの長楕円形で、変形した形が多い。

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5〜6月に集散花序をだし淡紫色の花をつける。花弁が5個、雄しべが10個、雌しべが1個ある両性花。 6月9日

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センダンはセンダン科の落葉高木で広い角度で枝分かれする。葉は互生し羽状複葉。 6月12日

仙台市青葉山公園

 

冬芽と葉痕2

冬の時期、風が弱く穏やかな日は、近くの公園や雑木林で冬芽と葉痕の観察が楽しみです。冬芽と葉痕は、接写するのに題材として最適で、ルーペを持って観察すると予想だにしない面白い発見があります。小さな世界ですが、植物たちの営みが感じられ心を豊かにしてくれます。

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大きい頂芽が重そうなカジカエデ 。芽鱗が開いて王冠のようにも見える。

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まるでお猿さんのようなセンダンの葉痕。

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芽鱗が美しいコクサギの冬芽。

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大きく口を開けたように見えるウルシ(中国産)の葉痕。

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大きく長い頂芽をもつシナサワグルミ 。葉痕は小さな三日月形。

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アカメガシワの頂芽と側芽は細かい毛が密生していて暖かそう。

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すやすや眠っているのはハンカチノキの葉痕。

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タカノツメの冬芽は硬く鋭い鷹の爪のよう。

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くっきり目鼻立ちのクズの葉痕。枝には細長い毛が密生する。

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鳥のくちばしのようなコシアブラの冬芽。

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レンギョウの葉痕は目立ちませんが、側芽は賑やかで良く目立ちます。

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クチナシの冬芽はとんがり帽子で、葉痕はひょうきんな顔。

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キンモクセイの葉痕はハート形。冬芽は数個ついて変わった形。

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小人のようなフジの冬芽と葉痕。

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ハート形の大きいニワウルシの葉痕 。葉痕に比べて冬芽は小さい。

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子供の顔のユズリハの葉痕。

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光沢のある芽鱗のモミジバフウ。半円形の葉痕はユーモラスな顔。

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芽鱗が帽子のようなスミヨシヤナギの冬芽。芽鱗のすきまから銀白色の花芽が見える 。

仙台市青葉山公園 仙台市茂ヶ崎