面白い接写の世界

雑木林や公園、植物園などで自然が作る造形をマクロレンズで撮影してます

ヤブデマリ

5月中旬頃から日当たりの良い林縁では、ヤブデマリ(藪手毬)の白い花が大きく広げた若葉の上に咲き、まるで雪が積もったように見えます。花弁のように見えるのは装飾花で、花序の中心には小さな両性花が多数つきます。ヤブデマリは枝が水平にのび、花序に華やかさがあり、遠く離れて見ても良く目立ちます。

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装飾花は5裂し散房花序をとり囲むようにつく。

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両性花は直径約6mmで淡黄色の花弁が5個、雄しべが5個で花糸が長い。

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垂れ下がった枝に多数の花序がつき、装飾花が花輪のようで華やかです。

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散房花序は水平に伸びたり垂れ下がったりする枝に多数つく。遠くから見ても若葉と装飾花は良く目立つ。

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芽吹きの頃。花序は固いつぼみで、新芽は葉脈のヒダがはっきりしている。   4月16日

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果実は5〜7mmの楕円形で夏に赤くなる。よく見ると花序の枝も赤くなっている。 7月21日

 

仙台市茂ヶ崎 仙台市水の森公園

チゴユリ

チゴユリ(稚児百合)は5月頃から雑木林の林床で、小さな白色の花を下向きに咲かせます。名前のとおり小さな可愛い花で、見つけると思わずしゃがみ込んでカメラを向けたくなります。秋には黄葉し、黒色の小さな果実をつけます。

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花被片は6個に開き、雄しべは6個、雌しべの柱頭は3裂する。咲き始めの頃は上向きに咲く(下)。

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高さは20〜30cmで、林床のやや湿ったところに生える。葉は楕円形で先が尖る。

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秋に黄葉し、葉脈がはっきり見えグラデーションが美しい。果実は約9mmの楕円形で黒く熟す。  10月17日

 

仙台市水の森公園

マムシグサ

マムシグサ(蝮草)はサトイモ科の多年草です。5月中旬頃、林床にひっそりと咲いています。黄緑色の苞に白色の縦縞があり、逆光で透けて見えて爽やかで、名前のマムシグサのイメージとは違います。茎の模様がマムシに似ていることが名前の由来のようです。秋にはトウモロコシのような形で赤い果実を多数つけよく目立ちます。

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苞の形はミズバショウザゼンソウなどと同じ仏炎苞(ぶつえんほう)で、マムシグサの苞は先端が屋根のようになっている。苞の中に淡黄色の棒状の肉穂花序が見える。

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苞の先端を持ち上げて上から見たところ。下部には膨らみがあり、雌株では果実をつくる。マムシグサは雌雄異株ですが、雄株も雌株もほとんど同じに見え、区別するのは難しい。

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葉は2個の鳥足状複葉で、小葉が7〜14個つく。

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葉が開く前。茎の模様がマムシのようです。 5月6日

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トウモロコシのような果実。果実の長さは約7cmで多数つく。 9月24日

 仙台市茂ヶ崎

オトコヨウゾメ

オトコヨウゾメは5月頃から散房花序に小さな花を7〜10個つけます。ガマズミの仲間ですが、ガマズミと違って散房花序は垂れ下がります。白色の花冠と雄しべや雌しべも目立たなく雑木林の中でひっそりと咲いています。花と違って9月頃からつける赤い果実は良く目立ち、紅葉も美しく、雑木林の中で彩りを添えます。

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花冠は5裂し、雄しべが5個、雌しべが1個つく。良くみると柱頭にピンク色の模様が見える。

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散房花序に7〜10個の花をつけ垂れ下がる。

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咲き始めの頃の散房花序は上向きにつける。

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果実は赤色の楕円形で垂れ下がる。 9月24日

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高さが約2mの落葉低木。果実は果柄が長く葉に隠れることなくつけるため良く目立つ。

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秋に紅葉し、数個の果実は晩秋まで残る。 11月20日

仙台市水の森公園

ウワミズザクラ

ウワミズザクラ(上溝桜)は、5月初旬に若葉が開くと同時に開花します。上向きにつけた総状花序に多数の小さい白い花をつけます。ソメイヨシノヤマザクラと違って、ウワミズザクラの総状花序は、若葉を背景に爽やかさを感じさせてくれます。果実は5〜7mmの卵形で、夏に赤色から黒色に熟し食べられます。

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新しい枝先に総状花序がつき、花序の下に葉がつく。花は風が吹くとゆらゆらと揺れる。

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白色の花弁は5個、雌しべは1個、雄しべは多数つく。

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山野の日当たりの良い林縁などに生える高さ10m以上になる落葉高木。

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果実は約6mmの卵形で先が尖り、7〜8月に赤色から黒色に熟す。熟した果実は食べられる。

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ソメイヨシノほど鮮やかでないが、秋に紅葉する。

 

仙台市水の森公園

木々の芽生え

青葉山公園内のヒマラヤスギの根元では実生が芽生え始めました。近くの地面にはモミやカヤ、コナラ、イタヤカエデなどの実生も芽生えています。木々の芽生えは生命誕生の喜びがあり生き生きしています。

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高さが約20mのヒマラヤスギの根元に生えた実生。小さな葉の先端に種子の殻がついている(上)。

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モミの実生。幼葉は先端が二裂し鋭く尖る。

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カヤの実生。幼葉は先端が鋭く尖る。

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発芽したばかりのコナラの若芽は赤みをおび、どんぐりから養分を得て生長する。  4月16日

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コナラの実生。葉が生長して青々としている。

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トウカエデの実生。枯れている子葉が見える。

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イロハモミジの実生。幼葉は5〜7裂し鋸歯が見られる。

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ツツジの実生。幼葉は初々しい。

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イチョウの実生。小さい幼葉が葉を広げ始めている。地面には白くなったギンナンの殻が散らばっている。

 

仙台市青葉山公園

針葉樹の花

針葉樹のヒノキやサワラ、スギなどは花粉を飛ばすので花粉症の人には厄介です。ヒノキやサワラは3〜4月に、アカマツクロマツは4〜5月にかけて花を咲かせます。針葉樹の花は、色が地味で目立たないですが、よく見ると花粉を飛ばす雄花の仕組みや受粉する雌花の仕組みなどに面白さがあります。

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ヒノキは雌雄同株で雄花は赤みを帯びる。ピンク色した球形の花粉袋が膨らんでいる。 4月9日

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ヒノキの雌花は下向きに垂れ下げてつけるので、葉を裏返してみると良く見える。 4月27日

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サワラの雄花。球形の花粉袋が破けていて花粉を飛ばしている。

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受粉を終えたサワラの雌花。 4月27日

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アスナロの雄花。風が吹くと鱗片内の葯から花粉が飛びます。

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アスナロの雌花には8〜10個の鱗片があり、果実に近い形になっている。

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コノテガシワの雌花。6〜8個の鱗片が反り返ってる。小さな水滴のように見えるのが受粉滴で、胚珠に花粉を届くようにしている。受粉滴はキラキラ輝いている。 4月1日

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スギの雄花は3月にはもう花粉を飛ばしている。 3月7日

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スギの雌花は約5mmの球形で、雄花より遅くつく。画像の上に雄花が見える。 4月10日

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アカマツの雄花は淡黄色で新しい枝先の基部に多数つく。 5月7日

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アカマツの雌花は赤紫色で新しい枝先に数個つける。 5月5日

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クロマツの雄花は長さ1.5〜2cmの楕円形で新しい枝の先に数個つく。 4月27日

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クロマツの雌花は赤紫色で新しい枝先に数個つける。 5月5日

 

仙台市青葉山公園