面白い接写の世界

雑木林や公園、植物園などで自然が作る造形をマクロレンズで撮影してます

霜・雪・氷

冬の時期の楽しみの一つに霜、雪、氷の造形の観察があります。気温が氷点下で風のない穏やかな朝は、近くの公園ではサツキに霜がつき、葉の輪郭が浮き出ています。地面では、落ち葉や草などに霜が降り、幻想的な模様が見れます。雪が降った朝は、雪が日常的な風景を消して、果実や花、枝などが別世界の造形に変化します。地面の水溜りの落ち葉や枯れ枝は、普段は見過ごしてしまいますが、氷が張ると変わった造形ができます。

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常緑低木のサツキの葉は冬の時期、茶褐色になり、縁に霜がつき輪郭が浮き出る。

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地面の落ち葉や草につく霜。霜は長方体や棒状の結晶になり、落ち葉や草に突き刺さるようにつく。

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オオバコの葉の縁に、長方体の霜の結晶が重なるようにつく。葉の一部が虫に食べられ変形している。

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柔らかい土を押し上げる霜。霜柱は2〜3cmも土を押し上げる。

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常緑低木のピラカンサの果実は、冬の時期も残り、赤い果実と雪と常緑のコントラストが美しい。

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テッポウユリの果実に雪が積もり、果実が傾いている。果実にはまだ種子が少し残っている。

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若いヤツデの花序にそれぞれ雪が積もり、球状の面白い形を作る。

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ピラカンサの果実を覆う氷。氷は透明感があり、果実の下にはつららができる。

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水溜りに張った氷に閉じ込められたクリの落ち葉。

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水溜りに張った氷には、小さな気泡が多数でき、コナラなどの落ち葉を閉じ込める。表面にはアカマツの葉やモミの種鱗が固まっている。

仙台市青葉山公園 仙台市水の森公園

つる植物の種子

冬の時期のつる植物は、果実の中に種子があるものや、果実がなくなったものなど様々です。オニドコロ の果実は上部が開き種子が見えます。アレチウリの果実は褐色になり、中に茶色の種子が入っています。フジやクズの果実は中に種子があるものと、ないものがあります。ヘクソカズラの果実は、冬の時期でも残りますが、アオツヅラフジの果実は、ほとんど見ることができません。果実の種類にも、豆果やさく果、核果などがあり、それぞれ種子の形にも違いがあります。

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オニドコロ の果実はさく果で、熟すと3個の翼の上部が裂けて、3室に種子がそれぞれ2個つく。

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オニドコロ の種子は長さが約5mmの楕円形で、片側に長い翼がついている。翼を入れると長さは12〜15mm。どこか人の手の指に似ている。

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アレチウりの果実は熟すと褐色になり、果実は約10個の果実が集まって金平糖のような形を作る(左)。1個の果実に1個の種子がある(右)。長いトゲは触っても刺さらず痛くなく、果皮は乾燥していて剥きやすい。

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アレチウリの種子は、長さ約10mmの楕円形。

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フジの果実は豆果で長さが10〜20cm。一つの莢(さや)に4〜7個の種子がある。熟すとかたい莢はねじれて裂開し、種子を弾き飛ばす。種子が弾ける時、パーンと大きな音がします。

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フジの種子は10〜15mmの球形。種子は少し艶があり、かたい茶色で、黒いまだら模様がある。

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クズの果実と種子。果実は長さ7〜8cmで、1個の果実に5〜7個の種子がある。

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種子は長さ約4mmで、小さなうずら豆のようです。 

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ヘクソカズラの果実は核果で、果実は約5mmの球形(左)。1個の果実に2個の核があリ 、果皮(萼)を剥くとミカンのような形で、半球形の核が2個向き合っている(右)。核の中は水分が多く、1個の核に1個の種子がある。

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核は直径約4mmの半球形。取り出した時の核はやわらかくオレンジ色(上)。核(種子)は乾燥すると固くなり、色が黒くなる(下)。

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アオツヅラフジの果実は直径約7mmの球形。果実は核果で、果肉に包まれて1個の核がある。 10月15日

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アオツヅラフジの核(種子)は約5mmの球形で、アンモナイトのような面白い形をしている。

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ノササゲの果実は長さ3〜4cmの豆果。熟すと紫色になり2裂する。中に2〜5個の種子がある。

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種子は約5mmの球形で、果実が裂開しても果皮のヘリにくっついて落ちない。

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スイカズラの果実は直径6〜8mmの球形。果実は液果で中に数個の種子がある。スイカズラは常緑つる性木本で、冬の時期でも葉がついている。

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スイカズラの種子は長さ約3mmの暗褐色で、いびつな形をしている。

 仙台市水の森公園 仙台市茂ヶ崎

タカサゴユリ

タカサゴユリ高砂百合)は、夏の時期に花を咲かせ、秋の時期に果実が熟し裂開します。果実は蒴果で、冬の時期でも残り、裂開した上部から種子を散布します。種子は半月形でヤマユリやウバユリと良く似ていますが、翼の色や形に違いがあります。台湾原産の多年草で、各地で野生化して荒地などに繁殖している。

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果実はさく果で、3室に分かれていて、各室で種子が2列に並んで積み重なる。熟すと上部が裂開して種子を散布する。ウバユリに比べて大きく裂開しない。

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果実は長さが約7cmあり、ウバユリより少し長い。裂開しても果皮は、細い繊維で繋がっている。大きく裂けないので、1月でも多数の種子が詰まっている。

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種子は約7mmの半月形で、周囲に広い翼がある。ウバユリより少し大きく、ヤマユリより小さい。

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雌しべは雄しべより長く、黄緑色の柱頭が3裂する。雄しべは6個。開花したばかりの花は、葯がまだ開かず、黄緑色の雌しべの柱頭が美しい。 8月7日

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花は長さ20〜25cmで、ラッパ状の6弁の花被片をつける。テッポウユリとよく似ているが、タカサゴユリは外側が紫色を帯びる。葉は線形で密につける。  8月7日

仙台市茂ヶ崎

イイギリの果実

イイギリ(飯桐)はヤナギ科の落葉高木で、秋から冬の時期まで赤い果実をつけます。この時期、すっかり葉は落としましたが、ブドウの房のようにつけた赤い果実は美しく、ヒヨドリなどの野鳥もやってきて賑わいを見せます。果実は10月頃から赤く熟し、黄葉前と黄葉、落葉の時期と楽しむことができます。

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果実は液果で、直径8〜10mmの球形。果柄が1.3〜2cmと長く、赤く熟した果実の果皮の所々が黒くなっている。

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落葉した冬の時期でも、果実はブドウの房のように多数つけている。

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果実を求めてヒヨドリがやってくる。枝が横に広がるので、数羽のヒヨドリがやって来て賑わいを見せる。

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初冬の頃、赤い果実と黄葉のコントラストが美しい。 12月3日

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果実は10月頃から赤く熟し、黄葉する前の果実は、大きな葉に隠れる。    10月15日

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果実を半分に切ると、中に褐色の種子が多数ある。種子は長さ約2mmの卵形。果実には少し異臭があり、果肉はオレンジ色で、少しかじってみたが苦くて食べられない。

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イイギリの枝は横に広がり、葉は20cmにもなり大きく、ハート形で葉柄が10〜20cmと長い。山地や平地の湿った所に自生する。 9月4日

仙台市茂ヶ崎

ひっつき虫

秋から冬にかけて、草地や藪、林縁などを歩くと、足元や衣類に草の果実がつくことがあります。ひっつき虫と呼ばれるもので、果実にトゲや鉤、粘液などがあり、動物などにくっついて種子を運びます。ひっつき虫の種類には、逆さトゲを持つセンダングサやフックのような鉤を持つキンミズヒキ 、細かい鉤が密生するヌスビトハギ 、粘液を出すヤブタバコなどがあります。普段、やっかいものとして見過ごしていたひっつき虫ですが、果実を接写して観察すると、逆さトゲや鉤、粘液などの仕組みが良くわかります。

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ホソバノセンダングサはキク科の一年草。果実はそう果(薄くてかたい果皮に1個の種子が包まれる)で、先端の部分が逆さトゲになっている。

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果実は細長い四角柱で、長さは約8mm。フォークのような先端は逆さトゲで、果皮にも細かいトゲがついている。

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アメリカセンダングサの果実は長さ6〜8mmで、幅が2〜3mm。鋭く尖った2個の先端は逆さトゲで、果皮にも細かいトゲがついている。

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ヌスビトハギはマメ科多年草 。花期は7〜9月で、小さな淡紫色の花を咲かせる。果実は熟すと茶色になり、ふつう2個が一緒につく。

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果実は半月形で表面に細かい鉤が密生する。果実は弾けたりして様々な箇所にひっつく。果皮は薄く、中に半月形の種子が1個入っている。

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キンミズヒキバラ科多年草 。花期は8〜10月で黄色の5弁の花を咲かせる。

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果実は円錐形で萼筒の縁に鉤が多数つく。中には約3mmの卵形の種子が1個ある。

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ヤブタバコはキク科の一年草。果実はそう果で下向きに多数つく。細くなった先端から粘液が出ているのがわかる。

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果実の長さは約8mm。互いに粘液を出してくっついている。この果実にくっつかれると厄介です。粘液で手がネバネバしてなかなか取れません。

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ダイコンソウはバラ科多年草。花期は6〜8月で黄色い5弁の花を咲かせる。花を咲かせた後、花柱がのびて残る。

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果実には細かい毛が密生する。花柱の先端は鉤状になる。

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ミズヒキはタデ科多年草。果実は枯れた花被に包まれる。

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花柱の先端が鉤状になっている。裂けた花被から茶色い果実が見える。果実は約2.5mmの卵形。

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イノコヅチはヒユ科多年草 。針状の小苞が2個ありひっつく。果実は長さ約5mmの花被片に包まれ、中に1個の種子がある。

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オオオナモミはキク科の一年草。果実の表面に先が曲がったトゲが多数つく。果実は長さが約2cmで、熟すと茶褐色になる。  10月12日

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オオオナモミの果実のトゲは鋭い鉤状で、くっつくと厄介である。素手で取ろうとすると手の指に刺ささり痛い目に合う。

仙台市青葉山公園 仙台市茂ヶ崎

初冬の雑木林

初冬の雑木林は、秋の名残と冬支度が混在していて、新しい発見があります。彩り豊かな広葉樹の紅葉も終わり、すっかり葉を落としています。その中でヤブムラサキは、枯葉が残った枝に紫色の果実をつけ、モミジイチゴは、虫食いの美しい紅葉を見せてくれます。林床では、ノササゲの果実が裂けて種子が果皮にくっ付いています。タラノキ若木を見つけました。冬芽は、柔らかい芽鱗で覆われています。

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ヤブムラサキはシソ科の落葉低木。紫色の果実はムラサキシキブの果実より大きく、初冬の頃までつける。萼や果柄に細かい毛が密生する。

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モミジイチゴバラ科の落葉低木。4月から5月にかけて白い5弁の花を下向きに咲かせる。モミジに似た葉は、ほとんど虫に食べられている。葉腋に小さな冬芽が見える。

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ネムノキはマメ科の落葉高木。果実は豆果で、熟すと莢が裂けて種子が弾ける。種子は楕円形で長さが約8mmと小さく、果実が揺れるとカラカラと音がする。

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アオキはアオキ科の常緑低木。果実は核果で冬から春の時期に赤く熟す。花は早春に咲き、果実と同時に見られる。

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サルトリイバラはサルトリイバラ科の落葉つる性半低木。赤い果実は液果で、冬になってもつけてることが多い。

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ヘクソカズラはアカネ科のつる性多年草。果実は核果で萼に包まれ、熟すと黄褐色になる。シワになった果実や果皮が裂けて乳白色の核が見える。核の中に2個の種子があり、臭気がありネバネバしている。

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ノササゲはマメ科のつる性多年草。果実は熟すと紫色になり2裂する。黒紫色の種子は飛ばされず果皮にしっかりとくっついている。

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タラノキウコギ科の落葉低木。冬芽は円錐形で、頂芽が大きく側芽は小さい。頂芽を覆う芽鱗はまだ柔らかい。

仙台市水の森公園

オヤマボクチ

晩秋から初冬にかけてオヤマボクチ(雄山火口)は、枯れた筒状花をつけ、先端には暗紫色の雌しべが垂れ下がる。飛び出た雌しべの基部には冠毛をつけた果実が多数付いていて、風などで枯れた雌しべや冠毛をつけた果実が飛ばされます。オヤマボクチは、翌年の春まで、茎から垂れ下がった総苞片と冠毛をつけた果実を見ることができます。

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筒状花は枯れて茶色になり、先端に暗紫色の雌しべが飛び出ている。一部に果実の冠毛が見え、全体にまだら模様。

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 総苞片は黒くなり逆立って鋭く尖っている。淡黄色の冠毛が多数見え、暗紫色の雌しべも多数見える。

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果実は長さが約8mmのそう果で、中に1個種子がある。果皮は柔らかく簡単にむける。冠毛は長さが約2cmあり、ノハラアザミの冠毛に比べて大きく太い。

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この果実には、枯れた雌しべが付いている。雌しべの長さは約3cmある。

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果実の殻をむいたばかりの種子。種子は長さが約6mmの楕円形。

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オヤマボクチの花期は9月〜10月。花の構造は、頭状花序でキク科のノハラアザミなどと同じで、雄しべが開花後、花冠から雄しべの花粉を押し出すように淡紫色の雌しべが伸びだしている。 10月8日

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オヤマボクチは山野に生える多年草で、草丈は、1〜1.5cm。花の直径は6〜8cmと大きく、下向きに咲く。葉は楕円形で茎の下の方に大きい葉がつく。

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晩秋から初冬の雑木林の林床では、草丈の高いオヤマボクチは良く目立ちます。葉裏には白い綿毛が密生し、抽出した綿毛が火起こしする時の火口(ぼくち)として用いられたことが名前の由来になっている。

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早春の頃になっても総苞片は形が残り、垂れ下がった下部には、これから飛び出そうとしている冠毛と果実が見える。3月22日

仙台市青葉区笈坂 仙台市野草園