面白い接写の世界

雑木林や公園、植物園などで自然が作る造形をマクロレンズで撮影してます

ワレモコウ

ワレモコウ(吾亦紅)は、山野の草地に生える多年草です。9月頃、細い茎の先端に小さな花穂をつけ約2mmの花を多数咲かせます。茎は分かれて先端に小さな花穂をつけ、風が吹くとゆらゆらと揺れ草地の中でよく目立ちます。花には花弁がなく、開花後は萼が残り、穂全体が暗紅色の萼でおおわれます。

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花穂の大きさは約1.5〜2.5cmで、一つの花の大きさは約2mmと小さい。花は穂の先端から咲き始め、花弁はなく雄しべが4個つく。中央の開いた花の雄しべから黄色の花粉が見える。咲き始めの萼片は淡紅色で、雄しべが花粉を出した後は暗紅色になる。

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開花後は、暗紅色の萼が残る。萼の中にはしおれた雄しべが残っているのもあり、一見花が咲いているようにも見える。

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茎の先端についた花穂は、風が吹くとゆらゆら揺れる。咲き始めの頃の茎はまっすぐ伸びて花穂も上を向いている。やがて茎は風などにあおられてで横向きになる。

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葉は羽状複葉で、細長い楕円形の小葉にはトゲのような鋸歯があり、ノコギリのような面白い形をしている。

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ワレモコウ(バラ科)の草丈は約1〜1.8mで、まっすぐに茎を伸ばし、枝分かれして先端に花穂をつける。葉は下の方につくためこの時期は目立たない。同じ草地の中にはノハラアザミ、コバギボウシ、ススキなどが見られる。

仙台市水の森公園

ミズヒキ

ミズヒキ(水引)は、林の縁や藪などに生える多年草です。9月頃、茎の先や葉腋から総状花序をだし、小さな花をまばらに咲かせます。離れて見ると針金のように細い花茎につく小花がトゲのように見えますが、近くで見ると4裂した花被片が紅色と白色に分かれていて、5個の雄しべと2個の雌しべも見えます。

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花被片は4裂し、3個が紅色で1個が白色に分かれる。雄しべは白色で5個あり、雌しべが2個で花柱の先端が2裂する。

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茎の先や葉腋から約30cmの長い花茎をだし、小花を横向きにまばらにつける。花茎には多数の節があり、節のところに花がつく。

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果実は花被片に包まれ、先端がカギ状になった花柱が残る。

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総状花序の花被片が紅白に見え、祝い事などに使う水引のようです。

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ミズヒキはタデ科多年草。葉は互生し、楕円形で先が尖る。林の縁などで群生で生える花は、細い茎にトゲがついたように見え行く手をふさぎます。

仙台市水の森公園

サルスベリ

サルスベリ百日紅)は、中国原産の落葉小高木で7月から9月にかけて長い期間花を咲かせます。枝先から円錐花序をだし多数の花を咲かせ、紅色や桃色などの花弁は縮れていて華やかで、多数ある雄しべも葯が黄色でよく目立ちます。樹皮にも特徴があり、触るとつるつるしています。

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縮れた花弁は6個で長い柄を持つ。雄しべは多数あり花糸が長い雄しべも6個あり先端が緩やかに曲がる。

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花托の中心にあり雄しべの花糸より太く見えるのが雌しべ。柱頭が黄緑色に見える。

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小さなつぼみから6個の花弁がのびて、多数の雄しべと雌しべが出ようとしている。茶褐色の萼片は6個。

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枝先から円錐花序を出し多数の花を咲かせる。葉は長さが約5cmの楕円形で互生する。葉の表面は少しツヤがあり裏面は葉脈がはっきり見える。

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果実は球形の朔果で成熟すると裂開して種子が出てくる。 10月13日

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サルスベリミソハギ科の落葉小高木で紅葉も美しい。公園や庭などに良く植栽される。 10月13日 

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樹皮は滑らかで、サルでもすべり落ちそうなことが名前の由来です。

仙台市勾当台公園

つる植物(夏)

つる植物は、自分からは立ち上がらず、他のものに巻きついたり地を這ったりする植物です。草地や荒地などで普通に生え、道端の雑草やフェンスなどに巻きついたりしています。雑草として見過ごしてしまいますが、よく見ると花や葉、果実など面白い形をしています。夏の時期、草地や荒地などに生えるつる植物を観察して見ました。

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ガガイモはガガイモ科の多年草。淡紫色の花冠は5裂し内側に毛が密生する。白色の柱頭は長く突き出る。葉は長卵状心形でオニドコロの葉と似る。秋に大きい袋果の果実をつける。花期は8月。

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ヘクソカズラ(屁糞葛)はアカネ科のつる性多年草。花冠は釣鐘形で先が浅く5裂する。のどと内側は紅紫色で、雄しべと雌しべは、筒の中の奥にあり見えない。葉は対生し細長い卵形で先が尖る。果実は直径約5mmの球形で、秋に熟すと黄褐色になる。花期は7〜8月。

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ノブドウ(野葡萄)はブドウ科の落葉つる性木本。集散花序をだし小さな花を多数つける。花弁は5個、雄しべは5個、雌しべが1個。葉はカエデの葉のように3〜5裂し切れ込みがある。秋に赤紫色や碧色など美しい球形の果実をつける。花期は7〜8月。

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オニドコロ(鬼野老)はヤモノイモ科のつる性多年草。雌雄異株で淡緑色の小さな花をつける。雄花は花被片が6個、雄しべが6個(上)。雌花序は垂れ下がり、雌花は花被片が6個で、下部に細長い子房がつく(下)。葉は広い円心形。果実はさく果で上向きにつき3個の翼がある。花期は7〜8月。

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ヤマノイモ(山の芋)はヤモノイモ科のつる性多年草。雌雄異株で雄花序には白色の小さな花を多数つける。雌花序は垂れ下がり、雌花には小さく細長い子房がある(上)。葉は対生しハート形で先が長く尖る。果実はさく果で丸みを帯びた翼が3個下向きにつく。花期は7〜8月。

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ヤブガラシ(藪枯らし)はブドウ科のつる性多年草。オレンジ色に見える小さな花は、雄しべが4個、雌しべが1個。花弁と雄しべはすぐに散って花柱が残る(下)。葉は複葉で小葉は5枚。花期は6〜8月。

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ヒルガオ(昼顔)はヒルガオ科のつる性多年草。淡紅色の花冠は漏斗状で、葉腋から長い花柄をだし1個つける。葉はやじり形で基部は裂けない。花期は6〜8月。

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ボタンズル(牡丹蔓)はキンポウゲ科のつる性半低木。花弁のように見える白色の萼片は4個。多数の雄しべと数個の雌しべがある。花は葉腋から集散花序をだし多数つける。葉は3出複葉で小葉にギザギザがあり先端が尖る。花期は8〜9月。

クズ(葛)

夏の時期、草地や空き地などで木々の枝につるを絡ませたり、草や低木を覆い尽くすように繁殖しているクズをよく見かけます。クズはつる植物で自らは立ち上がらず、他の植物に巻きついたりして生育します。以前住んでいた自宅では、隣の空き地からクズが庭木や物置まで覆い尽くし、つるを取り除くのに苦労したことがあります。そんな厄介なクズでも紅紫色の蝶形の花は芳香があり、近くで見ると中心部は黄色の模様がありピンクの筋などがあり美しい。

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紅紫色の蝶形の花の大きさは約1.5〜2cm。中心部に見える黄色い模様は、花粉を運んでもらう昆虫たちを呼び寄せる役割をしていると言われている。薄紫色のつぼみは紅紫色の花とコントラストが良く美しい。 

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 総状に多数の花をつける。花は下の方から順に咲いていく。

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葉は3小葉からなり、大きいもので幅が20cmにもなる。葉身はひし形や浅く2裂する。つるは地面を這うようにのびて、木の枝などに巻きついて上にも伸びようとする。この時期でも新芽ができ若い葉が次々と成長する。

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マメ科のクズは、秋に枝豆に似た実を多数つける。豆果は褐色の剛毛に覆われ、中には5〜7個の種子がある。

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果実の名残り。果実の種子が放出された豆鞘は、翌年の春まで残ることが多い。クズは葉や花、つるが食用になり、根からは葛粉が取れお菓子などに利用される。 3月10日

仙台市青葉山公園

水辺の植物

水辺の植物には、アサザスイレンなどの浮葉植物(葉が水面に浮き、根が土の中にあるもの)、オモダカやヒメガマなどの抽水植物(葉や茎が地上に出て、根が土の中にあるもの)、ホテイアオイなどの浮遊植物(水面に浮いて生育するもの)などがあります。春に花を咲かせるミツガシワやショウブなどは、湿地植物で根が水に浸るところや湿地に生育しています。仙台市水の森公園の丸田沢堤にはヒシの群生が見られ、周辺の小川や浅い池にはアサザやヒメガマ、ミクリなどの水生植物が見られます。

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アサザ(浅沙)は、ミツガシワ科の多年草。黄色の花弁は5個で縁は糸状に細かく裂ける。葉はスイレンと似ていて円形で切れ込みがあり浮葉する。花期は6〜9月。

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ヒシ(菱)はミソハギ科の一年草。白色の花弁は4個で、直径は約1cmで小さい。雄しべは4個、雌しべは1個。葉身は菱形で浮葉はロゼット状になる。花期は7〜9月。

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スイレン(睡蓮)はスイレン科の多年草。白色の花弁は多数つき、黄色の雄しべも多数つく。葉は円形で基部が深く切れ込む。花期は6〜8月。別名、ヒツジグサ

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オモダカ(沢瀉)はオモダカ科の多年草。白色の花弁は3個。総状花序に雄花と雌花をつける。葉は矢じり形で大きい。花期は7〜10月。

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ヒメガマ(姫蒲)はガマ科の多年草。茎の上部に雄花序がつきソーセージのように見えるのが雌花序。ヒメガマはガマと違い、雄花序と雌花序の間が空いている。花期は6〜7月。

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ミクリ(実栗)はミクリ科の多年草。雌雄同株で上部に雄花がつき、下に雌花がつく。雌花は花が終わると栗のイガのようになる。花期は6〜7月。

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ミソハギ(雌禊萩)はミソハギ科の多年草。湿地に生え、花弁は紅紫色で葉は対生する。花期は7〜8月。

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キショウブ黄菖蒲)はアヤメ科の多年草。ヨーロッパ原産で黄色の外花被片は3個。池や沼などに野生化している。花期は4〜6月。

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ミツガシワ(三槲)はミツガシワ科の多年草。白色の花冠は深く5裂し、白い縮れた毛を多数つける。花は総状花序の下の方から順に咲かせる。花期は4〜5月。

仙台市水の森公園 仙台市青葉山公園

クサギ

クサギ(臭木)は、山野の林縁などに生える落葉小高木です。夏の時期、白色の花冠が5裂した芳香のある花を咲かせます。花筒と萼が紅紫色で白色の花冠とのコントラストが良く美しい。秋には萼が濃紅色になり5裂して藍色の丸い果実をつけます。果実は熟すと濃紫色になり、萼が反り返り羽子板の羽のように見えます。

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雄しべが4個で葯は茶色。雌しべが1個で長く上向きに反り返る。花冠は5裂して花筒は紅紫色で約2cmあり、その下に紅紫色の萼がある。花冠と萼が離れていて、雄しべと雌しべが長く面白い形をしている。

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枝の先に集散花序を出し小さな花を多数つける。紅紫色の萼がアクセントになり美しい。 

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果実は直径約6〜8cmの球形で藍色。萼は果実が熟すと5裂して開く。    10月5日

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葉痕は縦に長いハート形、維管束痕はU字形で口のように見える。 1月8日

仙台市水の森公園