面白い接写の世界

雑木林や公園、植物園などで自然が作る造形をマクロレンズで撮影してます

バイカモ(梅花藻)

バイカモは(梅花藻)キンポウゲ科多年草水草です。清流にしか生育できない水中花で、6月から9月にかけて白色の5弁の花を咲かせます。水中を這うように伸びた茎と濃緑色の葉が水中で流れに沿うように揺れる様子が、花の浮き沈みとあいまって趣があり時間を忘れさせてくれます。

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花は白色の花弁が5個で基部が黄色。水中の葉腋から花茎を伸ばし水上でゆらゆらと揺れながら咲く。水かさが増すと水中に潜ったりするが、花は水中でもたくましく咲いている。小さな白い花が梅の花に似ているのが名前の由来のようです。

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バイカモの茎は1m以上になり、濃緑色の葉は分裂して流れに沿って伸びる。水中で糸状の葉と茎の揺れる様子が川面一面に広がり、自然のパターンとなり美しい。

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日差しが水面に屈折して水中の茎や葉の形が変化しキラキラ輝いている。撮影地の高瀬地区は、紅花の里として有名でこの時期は紅花も見頃です。 

山形県高瀬地区

タイサンボク

タイサンボク(泰山木)は北アメリカ原産の常緑高木です。公園樹として良く植栽され、6月から7月にかけて芳香のある大輪の花を咲かせます。同じモクレン科のコブシやホオノキと花の形が良く似ています。モクレン科の花は、円錐形の花托に雌しべ、雄しべ、花被片がらせん状につくのが特徴で、特にタイサンボクの雌しべは、渦巻き状に丸くなり面白い形をしています。

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白色の花被片は9個。花托の上部に雌しべがつき、花托の基部に雄しべがらせん状に多数つく。雌しべは黄褐色で渦巻き状に丸くなる。雄しべは細長いへら状で、花粉を出した一部は花托から剥がれている。

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花被片が開いたばかりの雌しべは薄黄色で小さく丸くなっている。細長いへら状の雄しべはお互いにくっついている。

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早い時期に咲いたタイサンボクは若い果実をつけている。花托の下部に雄しべのなごりが1個ついていて、雄しべがとれた後は花托の下部は赤紫色の跡が残る。

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高さは20mにもなる常緑高木で、葉は厚い革質の長楕円形で光沢があり互生でつく。

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タイサンボクの果実は袋果で、秋に熟すと外皮が裂け赤い種子が出てくる仕組で、コブシの果実とよく似ている。写真は前年に種子を出した後の果実のなごり。

仙台市青葉区

ムラサキシキブ

6月下旬から7月にかけて、雑木林の林縁から少し刺激のある芳香が漂ってきます。小さな淡紅紫色の花を咲かせているムラサキシキブ紫式部)の香りです。花は葉腋から集散花序を出し多数の小花を上向きにつけます。秋には赤紫色の小さな球形の果実を多数つけます。ムラサキシキブは名前も素敵ですが、花も果実も趣があり美しい。

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淡紅紫色の花冠の上部は4裂する。雄しべは4個で花冠から飛び出ている。雌しべは1個で白い花柱は雄しべより長い。雄しべの葯は黄色で淡紅紫色の花冠とのコントラストが美しい。

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ムラサキシキブは高さが2〜3mの落葉低木で、葉は対生し細かい鋸歯がある。葉身は楕円形で先端が細く尖り、基部はくさび形になっている。逆光で見ると葉脈が透けて見える。

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果実は秋に熟し直径、約3〜5mmの赤紫色の球形で艶があり美しい。     10月12日

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ムラサキシキブは秋に黄葉する。果実は落葉後も付いてることが多い。先端に見える冬芽は裸芽で、細かい毛が密生する。 11月15日 

仙台市水の森公園

クマノミズキ

クマノミズキ(熊野水木)は、本州から九州に生える落葉高木です。同じミズキ科のミズキ(水木)と花や果実、葉の形が良く似ていますが、花期はミズキより約一月遅れて6月から7月にかけて咲きます。花は小さなクリーム色で枝先に葉より高く多数つけ、高木なので遠くから見ても密集した花は、良く目立ち爽やかさを感じさせます。

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クリーム色の花弁は4個で十字形をしている。雄しべは4個、花柱が1個。雄しべの花糸は白色で葯はベージュ色。花には芳香があり虫たちが良く集まる。

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花は散房花序で葉の上に多数つく。葉は対生し長楕円形で、縁は細かく波を打つ。

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果実は直径約5mmの球形で、秋に紫黒色に熟す。果実はミズキと違って枝や果柄が赤くなる。 10月8日

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クマノミズキの樹形。高さ10mになる落葉高木で枝は放射状に張る。和名の熊野から奥深い山地に生える樹木をイメージするが、各地の山野に自生する。雑木林などで普通に見られるミズキより個体数は少ない。

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クマノミズキの冬芽は、先端が尖り変わった形をしている。側芽の冬芽は対生してつく。 3月20日

仙台市青葉区

クリ(栗)

梅雨の時期の花と言えばアジサイがすぐ思い浮かびますが、クリ(栗)の花も雨に濡れてしっとり咲き趣があります、クリは雌雄同株で、尾状花序に多数つくのは雄花で良く目立ちます。雌花は花序の基部に1個つけ、良く見ないと雌花は見つかりません。クリは山野に生える落葉高木で、花には強い香りがあり、多くの昆虫が集まります。

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クリの雌花は緑色した総苞に3個つく。花柱は針状で7〜8個つく。総苞は先端が尖る鱗片で覆われていて、成長するといが(殻斗)になる。

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尾状花序に数個の雄花がつき、1個の雄花には約10個の雄しべがつく。雄しべの花糸は白色で、淡黄色の葯がついている。

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尾状花序のほとんどは雄花で、離れてみると雌花は小さくほとんど見えない。

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雨に濡れてしっとりと咲く。雄花には蜜を求めてチョウも訪れる。

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密集するトゲで覆われる殻斗(かくと)が裂けて果実が3個見える。果実は食用になり、様々な料理に利用される。葉の縁には針状の鋸歯がある。 9月21日

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紅葉した葉。葉は長楕円形で先端は鋭く尖り、クヌギの葉に似ている。     10月27日

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落葉高木のクリの樹皮は灰褐色で縦に大きく割れる。同じブナ科のコナラの樹皮と良く似ている。 11月13日

仙台市水の森公園 

初夏の実り

初夏の雑木林を散策すると、ヤマグワ、モミジイチゴ、ウグイスカグラ、ニワトコなど様々な果実を見ることができます。ヤマグワは林縁に生える落葉中高木で、赤い果実もよく目立ち、黒く熟した果実は甘く食べられます。落葉低木のモミジイチゴの果実は、大きい葉の下につき、オレンジ色に熟した果実は甘く食べられます。林床に真赤なヘビイチゴの実を見つけました。日当たりの良い林縁に生えるニワトコの赤い果実もよく目立ちます。落葉高木のミズキも小さな緑色の果実を上向きにつけています。

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ヤマグワ (山桑)の果実。黒く熟した果実は甘く食べられます。果実から多数の花柱が出ている。葉は乾燥させて焙煎して、お茶にしても香ばしく美味しい。

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モミジイチゴ(紅葉苺)。別名、キイチゴともいい甘くて美味しい。枝には棘があるので注意しないと指に刺さる。葉はカエデに似て5裂し、紅葉も美しい。

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ウグイスカグラ(鶯神楽)。日当たりの良い林縁に生える落葉低木。果実はトロっとして甘く美味しい。果実は枝先の葉腋に1〜2個しかつけないので貴重です。

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ヘビイチゴ(蛇苺)は、やや湿った草地に普通に生える。赤い果実の表面にはツブツブが多数ついていて、食べても味はなく美味しくありません。

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ニワトコ(接骨木)は、春に円錐花序に多数の花を咲かせる。6月〜7月にかけて赤い小さな球形の果実を多数つける。

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ミズキ(水木)は、5月下旬頃に枝先に多数の白い花をつける。球形の果実は夏から秋に黒く熟すが、熟す前に落ちてしまうことが多い。

仙台市水の森公園

 

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サクラの果実。黒く熟した果実は、少し苦味があるが食べられる。

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紅梅の果実。紅色の花は早春に咲き、果実は白梅より小さいが、香りが良く梅酒や梅ジャムなどにして食用になる。

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ナツグミ(夏茱萸)の果実は甘酸っぱく食べられます。果実の下に枯れた萼片がついている。

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ユスラウメ(梅桃)は、中国原産の落葉低木。公園や庭などに良く植栽される。球形の赤い果実は、サクランボのような味で甘く美味しい。

仙台市青葉山公園

マタタビ

初夏の雑木林に入ると、スイカズラやアワブキ、クリなどの芳香が漂ってきます。落葉つる性植物のマタタビ(木天蓼)も強い芳香を放ちます。マタタビは雑木林の林縁に生え、葉腋から1〜3個の白い5弁の花を下向きにつけます。雌雄異株で雄花だけの株と雌花と両性花が咲く株があります。葉にも特徴があり、枝の上部につく葉の面が白色になり、よく目立ちます。マタタビを見つけるには、白くなった葉を探すと見つかります。

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マタタビマタタビ科)の雄花。白色の花弁は5個で、雄しべは多数つける。雄しべの花糸は白色で葯は黄色。花は下向きに咲くので、下から見上げると白色の花弁や葉が透けて見える。

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白色の塗料を吹き付けたように見えるマタタビの葉。遠くから見てもこの白い葉があることによってマタタビを見つけられる。ハンゲショウドクダミ科)にも同じように葉が白くなる現象がある。

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マタタビの果実は長さ約4cmの長楕円形で先端が尖り、葉の裏側に隠れるように密集する。果実はマタタビ科のサルナシやキウイフルーツと同じ液果で、果実酒にしたりして食用になる。「猫に木天蓼」のことわざがあるが果実には猫を興奮させる成分があるようです。 9月10日

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虫こぶの果実。この果実も果実酒にしたりする。虫こぶの方が薬用効果があるようです。 8月6日

仙台市水の森公園