面白い接写の世界

雑木林や公園、植物園などで自然が作る造形をマクロレンズで撮影してます

エゴノキ

エゴノキは、初夏の雑木林の林縁に小さい白い花を多数つけて咲きます。下から見上げると、木漏れ日が白色の花冠を透かして美しく見せます。同じ初夏に咲くヤマブキの花が上向きに咲くのに対して、エゴノキの花は下向きに咲く可憐な花です。

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白色の花冠は5裂し、雄しべは10個、雌しべは1個つく。雄しべの花糸は白色で、葯からオレンジ色の花粉が出ている。雌しべの花柱は白色で雄しべよりも長い。

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白い花は、新枝の先に1〜6個つく。満開に咲いた時期、下から見上げると壮観です。

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 エゴノキエゴノキ科)は落葉小高木で高さは6〜8mです。葉は互生し、卵形で先端が尖り、逆光で見ると葉脈が透けてはっきり見える。

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直径約1cmの球形の果実は、花柄から垂れ下がる。若い果実には雌しべの花柱がついたままになっている。 7月10日

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果実はさく果で、秋に熟すと果皮が裂けて茶褐色の種子がでる。 7月30日

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浅く縦に裂けた模様がつくエゴノキの樹皮。

仙台市水の森公園

ヤマボウシ

ヤマボウシ(山法師)は、本州から九州の山地に自生する落葉高木です。公園や街路にも良く植栽されていて5月中旬頃から枝先に頭状花序をつけます。白い花弁のように見えるのは総苞片で4枚あり清楚で美しい。ヤマボウシは初夏を代表する樹木で、暑い日差しの中でもさわやかさを感じさせてくれます。

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頭状花序には約30個の花が密集する。1個の花には淡緑色の花弁と雄しべが4個あり、雌しべが1個ある。まだ花弁が開いていないものや花弁や雄しべが散ったものもあり一斉には開かない。

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まだ1個の花も開いていない頭状花序。球形状の頭状花序の大きさは直径約7〜9mmで、あと10日位経つと1個のつぼみの先端が4裂して花弁と雄しべ、雌しべが出てくる。 5月20日

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ヤマボウシの頭状花序は、枝先に5〜10cmと長い花柄をつけ葉の上に伸びる。

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枝に密集して4個の総苞片と頭状花序がつく。遠くから見ると葉の上に雪が積もったようにも見える。

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葉は対生してつき、卵円形で先端が尖り、縁にはギザギザがなくやや波打つ。

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ヤマボウシ(ミズキ科)の樹形。幹はまっすぐ伸び、山地では高さが10m以上の高木になる。

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集合果の果実は球形で直径約2cm。秋に赤く熟した果実の果肉は柔らかくマンゴーの味に似ていて甘く食べられる。 9月20日

仙台市青葉山公園 

ユキノシタ

ユキノシタ(雪の下)は、湿った岩や崖などに生える多年草です。仙台城跡の石垣などに群生して咲いています。花弁は5個ですが、上の3個は小さく赤色の斑紋がありよく目立ちます。下の2個は大きく白色です。アンバランスな面白い構成です。また葉脈にそって模様がつく葉も面白く、葉の両面には細かい毛が密集します。

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花は小さく、上の花弁から下の花弁まで長さは約2.5cm。雄しべは10個、花糸は白色で長く、葯は淡紅色で花粉を出すと落ちてしまう。雌しべは2個で子房の基部がくっついている。

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上につく3個の花弁は、淡紅色で赤い斑紋があり、基部には黄色の斑紋がある。斑紋の模様は同じものはなく美しい。雌しべの基部に黄色く見えるのは、花托の一部か蜜腺のようにも見える。

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花が開きはじめたばかりの雄しべは、葯が膨らんでいる。花弁の後ろに赤茶色の萼片が見える。萼片は5個つく。

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ユキノシタの花茎は長く、分枝して数多くの花をつける。

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石垣に群生して生えるユキノシタ

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葉の下にある根から花茎が伸び出している。 5月19日

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分枝した枝先につくツボミ。花茎や花柄には細かい毛が密集している。     5月19日

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葉の両面とふちには細かい毛が密集している。葉裏は紫色で、葉面には葉脈にそって暗茶色の模様がつく。ユキノシタの葉は天ぷらなどにして食べられます。

仙台市青葉山公園

ユリノキ

仙台市内では街路樹として植栽されているユリノキ(百合の木)が満開に咲いています。ユリノキは北アメリカ原産の落葉高木で、5月中旬頃から6月にかけてチューリップのような花を咲かせます。花は高木で上向きに咲くため下から見上げる他はありませんが、仙台市水の森の街路樹では、歩道橋の上から撮影することができました。

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黄緑色の花弁は6枚で、萼のような花被片が3枚垂れ下がる。花弁には基部に橙色の斑文がつきアクセントになる。花は枝先につくため風が吹くと大きな葉と一緒にゆらゆらと揺れる。

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雌しべは円錐形の花床に多数つく、雄しべは雌しべを囲むように多数つく。雄しべの葯から花粉が出ていて暗紅色の雌しべにも花粉がついている。花は近づくと甘い香りがして多くの蜜を出す。花を真上から見ると橙色の斑紋が一つの花弁のような形になっていて面白い。

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葉は互生し4〜6裂する。葉はやっこだこに似たユニークな形をしている。

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幹がまっすぐにのびる樹形。モクレンやコブシの仲間で、花も葉も樹形も美しいので街路樹として良く植栽される。

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果実は集合果で、多数の翼果が松かさのように集まる。 11月8日

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ユリノキは黄葉も美しく、逆光で葉脈が透けて見える。 11月8日

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冬の時期でも残ってる果実。一つの実は細長い楕円形の翼があり、基部に種子がついている。枝先に小さな冬芽が見える。 3月15日

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若い冬芽と葉痕。 11月8日

仙台市水の森

ハマナス

ハマナス(浜茄子)は北海道や東北の海岸の砂地などに自生する落葉低木です。花は5月頃から枝先に1輪から3輪ほどつけます。紅色の花弁と白い花糸と黄色い葯が緑色の葉とのコントラストが良く華やかです。

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ハマナスの雄しべは円状に多数つく。多数の雄しべの葯から花粉が出ている(上)。花糸は白く葯は黄色で、葯は花粉を出すと茶色になる(下)。葯の茶色の部分に花粉がついているのが見える。

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紅色の花弁は5個で、葉は奇数羽状複葉で3〜4対の小葉がある。小葉は楕円形で先端は丸く鋸歯がある。 5月15日

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花粉を出した後の雄しべの葯は茶色になり、花糸もやがて茶色になりしおれてしまう。

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枝には小さなトゲと太く長いトゲが密集する。トゲは鋭く手に触れたら突き刺さる。

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淡緑色に膨らんでいる若い果実。果実は偽果(ぎか)で、子房ではなく花托(かたく)が果実になる。花糸と葯は、落下しないで枯れる状態まで萼片についている。

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花托や萼片には蜜腺が見える。 5月24日

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果実は2〜3cmの大きさで、熟すと赤くなり先端に萼片が残る。果実はジャムや果実酒などの食用になる。 7月20日

仙台市青葉山公園

キリの花

キリ(桐)は5月中旬に枝先に円錐花序をつけ多数の花をつけます。花は両性花で花冠は淡紫色で先端は5裂します。原産地は中国で、日本では公園や庭などに植栽されています。キリの花は500円硬貨にも描かれている身近な樹木です。

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キリの両性花。雄しべは4本で葯から花粉が出ている。雌しべは1本で乳白色の柱頭の先端が見える。雌しべも雄しべも花冠の奥にあり花冠にくっついているため見えにくい。

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蜜を求めて花冠の中に入り込んだ蜂。雄しべと雌しべが花冠にくっついているのは、蜂が花冠の中に入りやすくするためと思われる。蜂の体には多数の花粉がついている。

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受精後は花冠と雄しべは散って、5裂した茶色の萼と雌しべが残る。

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円錐花序は枝先の上につき、細長い鐘形の花は下向きに多数つく。

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キリの芽吹きは円錐花序の開花と同時に展開する。

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若い果実。果実は長さが3〜4cmの卵形で先が尖り熟すと茶褐色になり、初冬に2裂し種子を散布する。 6月23日

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若い木では葉がカエデのように5裂し大きく生長する。枝先には新しい花芽がついている。 9月23日

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大きな葉を広げて多数の果実がつく。葉は広卵形で先端が尖り短い毛が密集している。 9月26日

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熟した果実は2裂して種子を散布する。写真の果実の中は空っぽで種子はない。 3月22日

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種子は長さ2.5〜3mmの楕円形で、周りに幅が約2mmの半透明な翼がある。

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キリの樹形。キリは落葉高木で成長が早く、材は軽く防湿性がありタンスなどの材料として利用される。

仙台市青葉山公園

オニグルミ

オニグルミ(鬼胡桃)は雌雄同株で4月中旬から雄花序をつけ、5月上旬に雌花序をつけます。葉は羽状複葉で花の開花と同時に展開します。雄花序は前年枝の腋芽から垂れ下がり、多数の雄花が下向きにつきます。新枝の頂芽につく雌花序には多数の白い毛や腺毛が密集し、濃紫色の柱頭は、まるで霜が付いたように見えます。

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オニグルミの雌花序。花柱は2裂し柱頭は濃紫色。花軸や花柱には多数の白い毛や腺毛が密集している(上)。咲き始めた頃の雌花序には、まだ白い毛は多くついていません(下)。

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雌花序は新枝の頂芽に直立してつく。この雌花序には花軸だけでなく葉軸にも白い毛が密集している。

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新芽の芽吹きと同時に、前年枝の腋芽(えきが)から若い雄花序が伸び始めている。4月9日

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雄花序は前年枝の腋芽から垂れ下がり、多数の雄花が下向きにつく。 4月22日

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雄花には淡黄緑色の葯が見える。 4月26日

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奇数羽状複葉の若葉。楕円形の小葉が5〜7対つく。オニグルミは湿地などに生える落葉高木。

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果実は堅果で秋に熟すと落下する。外果皮(果肉)と内果皮(核)があり、種子は食べられる。 8月10日

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オニグルミ(左)の内果皮(核)は固くゴツゴツしている。実は市販のクルミより小さいが味が濃厚で美味しい。ヒメグルミ(右)ハートの形をしている。実もオニグルミと同じで食べられる。オニグルミとヒメグルミは、雄花序、雌花序、葉、樹皮がよく似ていて区別がつきません。青葉山公園で偶然にヒメグルミの実を見つけました。

仙台市青葉山公園